現場へ! ローカル線のあした④
7月下旬の夕方、路線バスに乗りこむと、乗客は1人もいなかった。
「蝦夷(えぞ)富士」と呼ばれる羊蹄山のふもとにある北海道南西部の喜茂別(きもべつ)町。ここから伊達市大滝までのバス路線は、過疎化による乗客の減少により、9月いっぱいで廃止が決まった。
「時代の流れ。利用者も減ったので仕方がない」。地元の喜茂別町商工会の堀浩和会長(53)は話す。「バスがなくなるのは寂しいが、実際不便を感じることはないと思う」
バス運行の歴史は古い。国鉄が分割民営化される前年の1986年、現在のJR倶知安(くっちゃん)駅から伊達紋別駅を結んでいた胆振(いぶり)線が全線廃止となった。その代わりに地元5市町とバス会社がバスを走らせている。
倶知安と伊達市を結ぶバス路…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル